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Books世界観マーケティング第三章
第三章

顧客体験の方程式

―― 世界観設計7層モデルと、その理論的基盤

「また来たい店」と、「一度行けば十分な店」の違いは、何なのだろう。「また来たくなる場所」には、体験が線でつながっている。入口から、駐車場、空気、接客、時間の流れ、帰り道、SNS投稿に至るまで。それらがバラバラではなく、一つの方向へ向かっている。

世界観設計7層モデル

顧客体験を七つの層で整理する。①原初物語——なぜ存在するのか。②世界観接触——SNS・動画・口コミ。③境界侵入——入口・看板・駐車場。④没入環境——音・匂い・光・接客・導線。⑤期待増幅——待ち時間・行列・前説。⑥感動体験——飲食・景色・ライブ。⑦伝播帰属——SNS・再訪・ファン化。

ディズニーが実証した「体験の連続性」

このモデルは、ウォルト・ディズニー・イマジニアリングが70年以上にわたり実践してきた設計哲学と驚くほど重なる。「It All Begins with a Story」から始まり、入口での境界移行、感覚を総動員した没入環境、期待を高める待機設計、ピーク体験、「魔法を持ち帰る」伝播・帰属——と、本モデルは極めて高い構造的親和性を持つ。

世界観価値の方程式

世界観価値=意味的一貫性×感覚的没入×社会的帰属×伝播性。重要なのは、「世界観は偶然ではなく、構造である」という点だ。どれか一つが弱いと、世界観全体が崩れる。

AI時代、なぜこの構造が重要か

AIによって、機能や情報はさらに均質化していく。だが、人間は身体を持っている。匂いを感じる。空気を読む。余白に安心する。だからこそ、AI時代になるほど、「その場にいる感覚」の価値が上がる。

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