第二章
世界観マーケティングとは何か
―― 「また来たくなる場所」の構造を考える
那須で、不思議な感覚に出会った。ある有名店の店主が、冬の間は店を土日しか開けず、平日はスキー場でアルバイトをしているという話を、まるで天気の話をするように自然に語っていた。東京で長く仕事をしてきた私にとって、それは衝撃だった。
世界観は「雰囲気」ではない
本書では、世界観を単なる感覚的な言葉として扱わない。世界観とは、顧客がその場所・ブランド・体験に触れた時に感じる、「意味」「感情」「空気」の一貫性である。
世界観の三層構造
第一層:意味層——「なぜ存在するのか」。理念、起源、哲学、物語。第二層:感覚層——音、匂い、光、温度、素材感、導線。私はこれをAtmospheric UX(空気のUX)と呼んでいる。第三層:社会層——「誰とそこにいるのか」。常連客、店主、地域、コミュニティ。
SHOZO CAFEが強い理由
「僕の趣味はまちづくりなんですよ」——以前オーナーにお会いした時、彼が私の目を正面に見据えて語った言葉が忘れられない。実際に有言実行されていて、SHOZO CAFEを中心としてたくさんのお店が出店し、SHOZO経済圏ができていることを目の当たりにすると、驚きを通り越して尊敬の念を感じる。
世界観は、設計できる
入口、導線、音、光、接客、写真導線、地域との関係——これらには、一定の因果構造が存在する。そして、その一貫性が高いほど、人は「また来たい」と感じやすくなる。次章では、この構造を「世界観設計7層モデル」として整理する。